壮年HのBD-1探索記

BD-1
折りたたみ自転車の名称(ドイツ発祥)
概要:ドイツの「Riese und Muller(リーゼ&ミュラー)」社が開発した人気の折りたたみ自転車
特徴:フルサスペンション構造(前後にサスペンションがある)
独自の折りたたみ機構(他の折りたたみ自転車よりも走行性能が高い)
コンパクトに折りたためて持ち運びも容易
名前の由来:「Birdy(バーディー)」という愛称でも知られる
現在は「BD-1」ブランドは廃止され、「Birdy」として販売されている
15年ほど前に購入し、電車やフェリーなど、ともに揺られて各地をぶらぶら。華奢に見えるが実は質実剛健のモノコックボディーに支えられているので、急な下り坂も一切不安は感じないミニベロだ
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ようこそ、大阪へ
目の前を行き交う笑顔、心躍らせる関西弁のやわらかな響き。「どこに行くん?」「おおきに!」と飛び交う会話に、思わず口元がほころぶ。ふと気づけば私はもう、この街の虜になりつつあった。
旅の最初の一歩は道頓堀。灯りの川が流れるようなネオン街をゆっくり歩けば、あちらこちらから香ばしいソースや、醤油の甘辛い香りが漂ってくる。ジュウジュウと、鉄板の上で音を立てる出来立てのたこ焼きに思わず足が止まった。
「兄ちゃん、熱いうちに食べてぇな!」
屋台のおじさんの威勢のいい掛け声に促され、一口頬張れば、とろっと熱々の生地が心までも幸せに溶かしていった。たった一口の大阪の味が、旅への期待をもっと熱く、もっと深くしていく。
次なる目的地は堂々とそびえる大阪城。秀吉が見せた夢の跡を辿るように、天守閣から眺めると、現代のビル群と悠久の歴史が不思議な調和をなしていた。まるで400年前からずっと、この街が私を待っていたかのような錯覚に、一瞬胸が高鳴った。
夕暮れ時、新世界へ足を伸ばす。活気あふれる串カツの屋台街は、人生を謳歌する人々の明るい声で満ちている。「ソースの二度漬け禁止やで!」隣のおばちゃんが笑顔で教えてくれた。カリッと音を立てて噛み締めた瞬間、地元の味が口いっぱいに広がった。その串カツ片手に通天閣を見上げたら、なぜだろう、新しい未来への希望が胸の奥底から湧き上がってきた。
締めくくりは、通天閣からの夜景。展望台から見渡す大阪は、星を散りばめたように煌めきを放っていた。笑いに満ち、情熱にあふれ、美しく輝くこの街が、なぜこんなにも人の心を惹きつけるのか。その答えは街を去る頃には、胸の奥にしっかり刻まれていた。
「またきっと、帰ってこよう。」
そう決めた時、大阪はもう、第二の故郷になっていた。