大阪市阿倍野区に鎮座する「安倍晴明神社」は、日本の伝説的な陰陽師・安倍晴明を祀る神社として広く知られている。創建は寛弘4年（1007年）に遡り、晴明の死後、その功績を偲び、人々の崇敬を集めて設けられたのが始まりだ。場所は、安倍晴明が誕生したと伝わる地にあり、今も占星術や陰陽道に興味を持つ多くの参拝者、さらには歴史ファンやパワースポット巡りを目的とする観光客の人気スポットとなっている。
社殿は落ち着いた雰囲気を湛え、神秘的な空気が漂う。古くからこの神社では、厄除けや開運を願う人々が絶えず、現代でも受験や仕事、人間関係など生活全般の運気向上を祈念する場とされる。とりわけ、陰陽五行思想や星の動きを重視する人々から篤い信仰を受けている点が特徴的である。
安倍晴明神社最大の見どころのひとつが、社殿脇にひっそりと存在する「星型貼石」だ。これは五芒星、つまり古代より魔除けや神秘的な力があるとされる星の形をした石板であり、訪れる人々はこの場所を探し当てることをひそかな楽しみにしている。新たな発見を前にしたときの「オカルティック」な高揚感は、小さな冒険を味わえる瞬間でもある。星型貼石を見つけて祈願すると、晴明にあやかって運気が上がる、願いが叶うなどといわれ、近年ではSNSなどでも話題となっている。近くには晴明の人像やゆかりの井戸もあり、神秘に満ちたスポットが点在している点も興味深い。
また、安倍晴明神社は年中行事も豊富だ。例年4月には「晴明祭」と呼ばれる例大祭が盛大に執り行われ、地域住民をはじめ多くの参拝者が集う。境内や参道は露店が立ち並び、陰陽道や占いのワークショップが催されることもあり、伝統行事と現代のカルチャーが共存している様子がうかがえる。こうした祭りや伝統行事からも、安倍晴明の歴史的な存在感と神社の地域への深い根付きが感じられる。
大阪市内というアクセス至便な場所にありながら、安倍晴明神社は神秘的な静けさと歴史的ロマンを感じさせる希有な聖地である。占いや陰陽道、パワースポットに興味があるなら、五芒星の貼石探しを楽しみながら、安倍晴明と日本の神秘思想の世界にひたってみてはいかがだろうか。
