2025. 06 / 07 (土)
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【鳥貴族(大阪市内各所)】人気チェーンだが大阪発祥らしさは全品均一価格にあり。学生〜サラリーマンまで混在する“庶民の社交場”。

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 大阪発祥の人気焼鳥チェーン「鳥貴族」は、いまや全国展開するまでに拡大し、多くのファンを持つ大衆居酒屋だ。その始まりは1985年、大阪の小さな店舗から。創業時から貫かれた「全品均一価格」という大胆なコンセプトは、関西らしい分かりやすさとコスパへのこだわりを象徴している。

 鳥貴族のメニューを見ると、焼鳥はもちろん、唐揚げやご飯もの、デザートに至るまで、すべてが統一された明瞭な価格設定。たとえば2024年春時点では(一部例外を除き)ほとんどの単品が同価格となっており、追加オーダーのたびに料金を気にしなくてよい安心感が、学生や若手社会人を中心に圧倒的な支持を集めている。料金の明快さはファミレス的でもあり、「誰でも気軽に楽しめる」居酒屋文化を体現するのが鳥貴族だと言える。

 こうした均一価格には、実用的なメリットも数多い。予算管理がしやすいため、学生のグループ飲みから会社の帰りの同僚同士の集まりまで、会計時に「予想以上に高かった」といった不安が起こりにくい。初めての人でも注文がしやすく、小皿を多数頼むスタイルのため、会話を重視する関西の「みんなでシェアして楽しむ」飲み会文化にも非常にマッチしている。

 鳥貴族の店内は、流行のオシャレ系や個室高級店とは異なり、明るく活気のあるオープンスペース。カウンター席の学生や、テーブルを囲むサラリーマングループ、さらには年配の常連客まで、客層は非常に幅広い。大阪らしい“庶民の社交場”として、世代・立場を超えて自然と交流が生まれる雰囲気が特徴だ。賑やかな声と香ばしい煙が混ざり合う中、周囲のテーブルとの距離感も近く、隣同士で会話が始まる光景もしばしば見られる。こうした気取らない温かさは、都会の孤立しがちな居酒屋とは一線を画すポイントだ。

 もちろん、リーズナブルさだけでなく、味にも妥協はない。看板メニューの「もも貴族焼」は焼鳥チェーンとは思えないほどの大きさとジューシーさ。素材の良さに加え、丁寧な仕込みと焼き加減は、シンプルな料理だからこそ違いが際立つ。オリジナルのタレ・塩で仕上げる串物、季節限定の逸品料理、定番のドリンク類とバリエーションの豊富さも、長く愛される理由だ。

 経済的な悩みがつきまとう時代でも“外食する楽しさ”を手放させない努力――それが鳥貴族の大阪発祥らしさに他ならない。全品均一価格という明快さの裏にあるのは、誰しもが気軽に同じテーブルを囲み、会話と食事を楽しめる場を作りたいという創業者の願いだ。今日も大阪市内の各所で、老若男女さまざまな人々が集い、鳥貴族ならではの雰囲気を味わっている。

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