そのトンカツ屋さんは、大阪環状線・寺田町駅の北側に位置し、平日のお昼時には数人の待ち客がつねにいる、客席12席ほどのこじんまりしたお店。
知る限りでも30年以上はその地で営業している。
近頃は従業員が増え、カウンター内には3~4人が立ち働く。
テキパキ、手際の良い手仕事を眺めるのも乙なものである。
肝心の料理はというとカラッと揚げて決して脂っこくないトンカツはもちろん、そこに添えられるソースが客にうけていると見る。
それは2種類用意され、1つはセロリの香りが残るベジ系、もう一方はベタなとんかつソース、にみえて実は微妙なブレンド具合の、少し甘めなもの。
年を重ねたせいか、近頃はこのベタなソースがお好みだ。
少し年季の入った暖簾と電飾看板が目印のそのお店。
地図アプリに頼らず、ぶらっと散歩がてら、お店を探す。
普段は気づかない小さな風景なんかに出会えたりもするものだ。
不便を楽しむ。
今の時代、いいのかもしれない。