御堂筋線というか正確には北大阪急行線の千里中央駅を車両後方で降り、エスカレーターでホームの上部階へ上がる。そして改札をぬけた左手にそのお店がある。いつからあるのかは知らないが、まあまあ古い印象だ。
注文は1人前10個単位のようで、例えば「1人前お願い」というと、たこ焼き10個がワンプレートにのってやってくる。ソースやマヨネーズ、魚粉や青のりはテーブルにあるもので自由にぶっかけ、ハフハフいいながら食すのが基本動作のようだ。
しっかりだしの効いたきじにレギュラー選手のタコ・紅生姜・天かす・青ネギが肩を寄せ合いながら存在する。それだけでいいのだ。余計なチーズやアボカド、こんにゃくなどはいらない。シンプルに旨い出汁と小麦粉、タコだけでもいい気がしてくる。そこに黙ってソースをたらし、青のりをふれば極上おやつのできあがり。そう、たこ焼きとはあくまでもおやつなのである。大阪を代表する料理でもなければ、かしこまって食べるものでもない。ゆえにシンプルにお安く提供してもらいたいものだ。ちなみにこのお店では1人前(10個いり)が600円なり。決して安くはないと思うが、つい最近まで1人前500円だったので、個人的には価格のボーダーライン上をうろうろしているように感じる。これ以上高くなると足が遠のくと思うぞ。
地図アプリに頼らず、ぶらぶらと散歩がてら、様々なお店のたこ焼きを食すのも大阪ならではの娯楽なのかもしれない。
不便を楽しむ。今の時代、なおさらいいのかもしれない。