2025. 07 / 25 (金)
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【石切劔箭神社】腫れ物平癒の信仰。参道のレトロ占い店巡りが通の楽しみ方。

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 石切劔箭神社(いしきりつるぎやじんじゃ)は、東大阪市に古くから鎮座する神社で、「石切さん」の通称で親しまれています。その歴史は非常に深く、創建はおよそ2,500年前とも伝えられ、饒速日尊(にぎはやひのみこと)とその御子・可美真手命(うましまてのみこと)を主祭神としています。長きにわたり「腫れ物平癒」の神社として信仰を集め、いわゆる“でんぼの神様”として知られています。「でんぼ」とは腫れ物やできものの関西方言。このため腫瘍やガンをはじめ、さまざまな病の快癒を願い、全国各地から参拝者が絶えません。

 境内には、病を治すための独特の風習が残っています。参拝者はお百度参りと呼ばれる作法で、本殿と百度石の間を何度も往復し、切実な願いを天に届けます。また「石切丸」と呼ばれる御神体も篤い信仰を集めており、奉納された絵馬には「~が治りますように」といった切なる祈りがぎっしりと綴られています。

 石切劔箭神社を訪れたら、ぜひ立ち寄ってほしいのが参道です。石畳の参道には、昔懐かしい雰囲気のレトロな商店や占い店が軒を連ねています。特に注目したいのは、“占い横丁”とも呼ばれる一角。手相や顔相、姓名判断から九星気学、四柱推命まで、さまざまな占術の看板が並び、訪れる人々を非日常の世界へと誘います。年配の女性たちが店先で穏やかに語る姿はどこか昭和の香りを感じさせ、遠方からわざわざ占い目当てで足を運ぶ“通”も多いのが特徴です。ふらりと占い店を覗きながら歩くのも、石切ならではの楽しみ方と言えるでしょう。

 また、参道にはだんご、漬物、お好み焼き、和菓子などの老舗も並んでおり、参拝や占いの合間にグルメも楽しめます。素朴な味わいの団子や、地元ならではのお土産を求めて、つい足を止めてしまうでしょう。週末や行事の日には多くの人でにぎわい、周囲のレトロな雰囲気と相まって、まるで“昭和の町並み”に迷い込んだような趣きを感じられます。

 病に悩む人々の心に寄り添い続ける石切劔箭神社と、その門前町の素朴な賑わい。腫れ物平癒の願掛けを主軸としつつ、参道巡りや占い体験など通も楽しめる要素に満ちたこの地は、単なる観光地ではなく、人々の祈りと日常が融合した“暮らしの場”そのものです。

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